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睡眠障害とは

睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態のことです。睡眠の目的は、脳と身体のメンテナンスと調整ですから、睡眠が障害されると脳や身体は疲れもとれないし、記憶の整理もできないので、日中の活動へ支障をきたし、心身の健康維持にも影響を及ぼしてしまいます。睡眠障害の症状からは、事故につながることや、生活習慣病やうつ病のリスクも高くなることもあるようですから、もし睡眠障害だと自覚があるならば、専門医による適切な診断を早期に受けることをおすすめします。


睡眠障害の症状と対応

 

睡眠障害は国民病


日本人を対象にした調査によれば、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答しているようです。加齢とともに不眠は増加し、60歳以上の方では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいて、通院している方の20人に1人が不眠のため睡眠薬を服用しているようです。 不眠症は特別な病気ではありません、睡眠は生活のなかで毎日行うことですので、違和感や不調を感じることも多いのだと思います。ここでは、睡眠障害のなかでもっとも多い不眠症と、病気や事故にも繋がってしまう過眠症について最新の情報を基にまとめています。 ひとつ憶えておいていただきたいのは、もし睡眠について悩みがあるときは、日本睡眠学会認定の睡眠の専門医に相談をしてみてはいかがでしょうか。睡眠薬は依存してしまうし、など心配をされる方もいらっしゃいますが、専門医であれば最新の研究情報などを基に、そうした疑問にも理解できるように答えてくれます。なによりも不眠症は特別な病気ではないので、不安があればひとりで抱え込まず受診されることをお薦めします。 参照:厚生労働省 睡眠と健康


不眠症


不眠症は4つのタイプに分けられます。寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」です。不眠症は睡眠障害のうち最も多いといわれていて、誰もが発症しやすい病気で特殊なものではありません。


不眠症の原因


不眠症は一つの病気ではありません。大部分の不眠症には、それぞれ原因があり対処法も異なっています。睡眠障害には、それぞれの治療法があり、通常の睡眠薬などでは治らないこともあるようです。これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会の睡眠医療認定医へのご相談をお薦めします。


不眠症の一般的な対処方法


不眠対処の第一歩は、さまざまな不眠の原因をしっかりと診断し、それを取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。睡眠改善法は下記の関連から参照ください。関連:今夜からできる睡眠改善法



過眠症

夜十分に睡眠をとっているはずなのに、昼間の眠気が強く、目覚めていられない状態を過眠といいます。健康な人でも、午後になると体内時計の働きによって眠気が強まりますが、眠ってはいけない時には、自らの意志で目覚めていることができるものです。

過眠になると、パソコンに向かって仕事をしていたり、会議で他の人の話を聞いていると居眠りをしてしまいます。入学試験や顧客との商談中など、通常では考えられない状況で居眠りをすることも起こります。居眠りや集中力の低下により、事故なども引き起こしやすくなりますので、思い当たる方は睡眠医療認定医の専門診療を受けることをお薦めします。


過眠症の原因


過眠を引き起こす病気はいくつかありますが、大きく分けて「 睡眠中の身体の症状のために深く眠ることができず慢性の睡眠不足となってしまうもの」と「脳の中の睡眠を調節する機構がうまく働かず日中に強い眠気が出現するもの」の2種類に分けられます。

睡眠時無呼吸症候群

この病気では眠り出すと呼吸が止まってしまい、身体が酸欠状態になるため睡眠が中断してしまいます。しかし眠り出すと再び呼吸が止まってしまうため、深い睡眠をとることができなくなります。このため慢性の睡眠不足状態となり、昼間の眠気が出現します。

睡眠時無呼吸症候群では、昼間の眠気が出現するだけでなく、夜間の長時間の酸欠状態により、高血圧が引き起こされたり、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなったり、糖尿病が悪化したりと、生活習慣病の発症に繋がっています。このため中等症以上の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、10年後には3~4割の方が死亡してしまうといわれており、早期治療が大切です。


ナルコレプシー

ナルコレプシーでは、夜十分な睡眠をとっていても昼間に突然眠気に襲われ、居眠りしてしまいます。ナルコレプシーは、目を覚まし続ける役割を持っているオレキシンといわれる神経伝達物質を体内で生成することができなくなることによって起こります。こちらも、専門医の受診と加療が必要です


過眠症の一般的な対応方法


昼間の眠気が強く、目覚めていられない場合は要注意です。ナルコレプシーなどの過眠症は、学業・仕事の妨げになるだけでなく、転倒・転落したり、交通事故の当事者となったりと、事故の危険性が高まります。睡眠時無呼吸症候群は放っておくと生活習慣病を悪化させます。いずれも検査を受け必要な治療を受けることが大切です。 参照:厚生労働省 昼間の睡眠

睡眠障害の受診はどこへ

 

睡眠障害で医療機関を受診しようと思っても、何科を受診すればよいか迷う方も多いようです。何科を受けるべきかは、症状・原因によって異なりますが、厚生労働省の提供している健康情報サイトe-ヘルスネットでは専門医を受診することをおすすめしています。

ストレスが原因で睡眠障害に陥っていると判断できる場合は、精神科や診療内科が適しているようですが、心療内科は、睡眠障害が原因で身体に悪影響が出ている場合がおすすめなようです。睡眠に関わる最新研究情報などを共有している日本睡眠学会の認定専門医も、各都道府県にいらっしゃいますので、たずねてみるのが安心かもしれません。


睡眠障害を考えるうえでのポイント


寝入りの3時間深く眠れているか

質の良い睡眠は、入眠からの3時間が重要だといわれています。この3時間中にも、レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されますが、この時間におけるノンレム睡眠が深いものであれば、質は高くなります。関連記事:睡眠と健康寿命


起床から4時間後眠気がないか

起床してから4時間後というのは、しっかりと睡眠ができていれば脳の働きが良い、最も頭が冴えている時間帯になります。この時間帯に眠気があるようでは質の良い睡眠をしているとはいえません。


スッキリを実感しているか

睡眠は個人差も大きく時間など定量的な指標だけで優劣を判断することはできません。なによりも大切なのは、朝起きてスッキリしたという実感があるかどうかということです。例え短い睡眠時間であったとしても、スッキリしていると体感できれば、それはあなたにとって質のよい睡眠をしているということになります。



睡眠こそ生活の中心におくべき活動

 

睡眠はあまりに日常のあたりまえになっているので、どうしても軽んじて考えられがちな風潮を感じます。また睡眠そのものについても、まだ科学的に解明できていないことが多いことも、その風潮を助長しているのかもしれません。

けれども考えてみて欲しいのです。睡眠が不足している、あるいは自覚はないけれど不足していたらどうなるでしょうか。残念ながら本来持っている力を存分に発揮することができないのです、自分の力はこんなんもんじゃないはず、その背景には睡眠が大きく関わっています。


例えば「今日は奮発してステーキにしよう」と、食事では生活のなかでメリハリがあります。運動でもそうです、明日は休みだから少しハードなトレーニングで追い込んでおこうとか。睡眠についてはどうでしょうか、今日は奮発して質の高い睡眠をしようとか、はできないのです。できるのは、休日だから寝れるだけ寝よう、という時間の量的なものだけです。 ただ残念ながら、1日で長時間眠ったとしても睡眠不足の蓄積は解消できないだけでなく、不規則な生活リズムはかえって体調を崩す原因になったりしますから注意が必要です。生活リズムは、睡眠の基ともなっている生体リズムに合わせることが求められます。そう考えると、健やかな生活を求めるのであれば、なによりも睡眠という活動を生活の中心に置くことが大切です。

睡眠は「すっきりした」という体感を大切に


3人に1人は悩んでいるという睡眠。厚生労働省の報告では、睡眠の悩みとして「睡眠途中に目が覚めて困った」「日中、眠気を感じた」「睡眠全体の質に満足できなかった」などが挙げられています。 参考:厚生労働省健康実態の調査


コロナ禍における日常生活の大きな変化によって、生活のリズムが乱れて睡眠に悩まれる方も多くいるようです。まだ睡眠については、解明されていないことが多いのも事実、ですから科学的根拠のない一般論だけに惑わされずに、自身の体感を基に「すっきりした」と感じられる睡眠を心がけてください。昼間にあくびがとまらない、集中力が続かないというのは、睡眠不足が原因だと考えられますので、自覚を持って睡眠環境の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。


自分に合った睡眠環境を整えよう


睡眠環境改善に直ぐに有効なグッズ


人生の1/4以上の時間を過ごすのがベッド(あるいは布団)。本質的な意味でのマイホームが寝室であり、ベッドなのです。この環境を機能的に改善することだけで睡眠の質は向上します。睡眠の質が向上すれば、疲労がすぐに回復できたり、免疫力が高まって病気になりにくい身体になったりと、生活全体の質が向上します。そして、なによりもグッズは今日からでも改善できるもっとも簡単な睡眠環境改善法のひとつです。


脳を休めるためストレスのない枕

脳を休めることが大きな目的でもある睡眠にとって、枕はとても大切なグッズです。頭をしっかりと支えてくれながら、その高さや固さがストレスにならないものを選んでください。 遠征の多いプロアスリートは、マイ枕を持参して睡眠環境を守っているということからも、睡眠における枕の大切さは理解いただけると思います。



身体を支えてくれるマットレス

睡眠と温度や湿度には大きな関係があります。質の高い睡眠を実現するためには、温度や湿度がこもらないような通気が必要です。また身体の疲労をしっかりととれるように、マットレスには反発と沈み込みのバランスが重要です。柔らかすぎるマットレスは腰痛の原因にもなりますし、固すぎると身体が痛くなりますので、ストレスのないマットレスはお薦めです。


睡眠は優先して質を高めるという意識へ


限られた時間のなかで、やるべきことややりたいことが沢山あると、ついつい睡眠時間を削ってしまいがちです。けれども、やるべきことを高い生産性で行うには、しっかりと睡眠をしなければ実現はできません。

仕事や趣味などに集中力高く、しなやかな行動でパフォーマンスを発揮するためには、なによりも優先して”睡眠の環境と時間をつくること”が必要です。睡眠は、疲れたから眠るという受け身の姿勢ではなく、脳と身体の仕組みに合わせて積極的に質を高めていくということが求められています。


睡眠の質は生活の質(QOL=quality of life)に直結していますので、健康寿命を延ばすためには、日々行う睡眠について正しく理解し、「すっきりした」と感じられるような睡眠をとれるように心がけてください関連情報:健康寿命の課題と対応


Have a good sleep.

西村公志 睡眠健康指導士、健康管理士。 著書「感動できる柔らかなココロがマーケットを創造する」(アスペクト)。マーケティングコンサルタントとして活動するなかで法人経営者の健康管理における危機意識を感じ、正しい情報をお伝えできるようにと健康の中でも人生の1/4以上の時間を費やす睡眠と睡眠に関わる健康管理について学び続けている。


 

※できるかぎり最新の情報を基に更新を重ねているため、掲載初期のものから情報が更新されていることがあります、あらかじめご了承ください。

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