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睡眠の質をあげる冬季の睡眠環境

冬季の寝床環境では、単に温かいというだけでなく吸湿性の高い素材を選択することが大切です。「呼吸する繊維」といわれているのが羊毛。吸湿性や放湿性が高いだけでなく、軽くて温かいのが羊毛の特長です。1枚の羊毛毛布を足すことで、冬季の快適な睡眠環境をつくり、質の高い睡眠を実現してください。


睡眠の質は寝床温度に大きく左右されます

 

快適な睡眠のためには寝床内温度33度を目指す


眠りの質をあげるには、寝床内(しんしょうない)環境を整えることも大切です。寝床内環境とは、睡眠時の人とマットレスや毛布などの寝具との間にできる空間の温度・湿度のことを指します。快適な睡眠に必要な寝床内環境は、温度33℃湿度は50%が理想的といわれています。


私たち人間の体温は37度前後ですから、体温よりも少し低いくらいが寝床内温度の目安となります。ちなみに睡眠時の体温は、起床時よりも低くなりますので、理想的な温度と湿度を保つには、保温性や吸湿性が高い寝具を選ぶことがポイントです。 関連記事:睡眠の質をあげる基本知識



室温が16度以下になると人は不快感を感じます


不快指数という言葉は誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。不快指数とは「気温」と「相対湿度」によって決まります。不快指数60~75までは快適な数値となり、60以下になると肌寒く、75以上だと暑く感じ、それぞれ不快に感じている指標です。


不快指数と睡眠の質には相関関係があり、気温が暖かくなったり寒くなったりすることで、寝床内の温度や湿度も高くなったり低くなったりしてしまいます。暑すぎても寒すぎても、深い睡眠の妨げになりますので、上手く寝床内環境の温度調整することは、睡眠の質をあげるのに簡単で効果的なひとつとなります。



冬季の平均室温は12℃くらいまで下がります


冬季の関東あたりで、まったく暖房がないと室内温度は12度くらいまで下がってしまいます。間欠暖房でも室温は15℃くらいです。ちなみに高齢者が低体温症を発症するのが10度前後といわれていますので、夏季の熱中症だけでなく冬季の室温調整にも注意が必要です。


乾燥にも要注意


体感温度は湿度にも大きな影響を受けています、冬季はただでさえ乾燥しているのに加え暖房でエアコンを使用するとさらに湿度は低くなってしまいます。湿度が低くなると、のどが痛くなったり、風邪をひきやすくなったりします。冬季でも60%程度の湿度を保てるように、加湿器を使ったりして乾燥にも注意をしてください。


睡眠の質をあげるためには寝床温度を保つこと


誰にでも経験のあることですが、寒さを感じると緊張して身体に力が入ってしまいます。睡眠に大切なのは、リラックスすることですから、身体に力が入って緊張してしまうと寝つきや睡眠の質が悪くなってしまいます。寝床に入って少しすると、自らの体温で寝床温度も上がってきますが、その温かさを保温することで、より質の高い睡眠が実現できるようになります。


快適な睡眠のために保温性や吸湿性が高い寝具を選ぶ

 

途中で目が覚めたりしないためには吸湿性がポイント


寝ている間に、汗による体温を調整をすると蒸れ感による不快感を引き起こします。人は湿度が65%を超えるとムレによる不快を感じるといわれています。

寝床内の湿度が高すぎると手足からの熱放散を妨げられ発汗しなくなり、眠りが阻害されてしまいます。汗が水分として溜まると、水は空気より熱伝導率は25倍高いのですぐに熱を奪ってしまい、体調不良の原因ともなりますので注意が必要です。


睡眠時にはコップ1杯もの発汗


睡眠時には、深部体温を下げることで深い眠りにつこうと働きます。深部体温を下げるためには、身体の熱を放射する必要があります、それが寝汗となります。健康な大人で一晩にコップ約1杯ほどの寝汗をかくといわれています。寝汗は、質の高い睡眠を得るために必要な生理現象です。



睡眠の質をあげるには吸湿性の高い羊毛がお薦め


睡眠時の発汗を吸湿するのに、適した素材のものを選ぶことが大切です。吸湿性が高い素材として、コットン、リネン、絹、羊毛、レーヨン、キュプラなどがあります。

特に羊毛は「呼吸する繊維」と呼ばれるほど吸湿性が高いため、冬季の寝具として利用すると睡眠効率が上がるとされています。


睡眠時の保温と吸湿に優れた羊毛の特長


羊毛は、繊維の表面がウロコ状で独特のちぢれ(クリンプ)をもっています。この形状が、優れた保温性、吸湿・発散性、弾力性を作り出しています。羊毛は身体が発散する水分を吸収し、空気中に放湿させるので夏季でも湿っぽい感じがありません。



羊毛に湿気を与えると、自然に熱を発生して温かくなります。何百万もの渦巻いたクリンプで構成される羊毛は、自然のちぢれと弾力性に富み、柔らかな触感となります。小さな子供が毛布を手放さないのには、柔らかで心地よく蒸れにくいという機能的な裏付けがあるのですね。


軽いのも羊毛の特長


寝ている時には、できるかぎり身体にはストレスはかけたくないもの。羊毛はコットンの半分くらいの重量で、シルクより少し重いくらい、これくらいの軽さなのです。温かくて、吸湿性や放湿性が高く、そして軽い。3拍子揃っているのが羊毛です、動物性繊維はやはり機能性が高いのです。


睡眠環境は自分で創れるもの


心地いい環境づくりが心地いい眠りに直結


平均睡眠時間は一般人で約7時間前後。1日24時間のうち、これだけ長い時間を過ごす環境は科学的に実証されているものならば、デザインは自分好みに整えたいものです。「どうせ寝ているからなんだって同じ」ではなく、睡眠の質をあげるためには「自分好みでリラックスできるもの」が大切です。


デザインにもこだわりたい


世界的なブランド Marimekko でテキスタイルデザイナーとして活躍した日本人脇坂克二さんのデザインした毛布。この毛布は余計な染色をせずに素材そのものの優しい色合いを活かしたデザインの多いインテリアブランド undyed+ のもの。脇坂克二さんのデザインを視覚的に楽しみ、素材の風合いを損ねないので触覚的にも満足できます。


好きなものに囲まれて心地いい睡眠環境を

睡眠の質をあげるために大切なのはリラックスすること。不安や緊張が続き交感神経が優位なままでは、なかなか深い眠りには繋がりません。睡眠環境を整えて、好きなものに囲まれることで気持ちが安らぎ、緊張がほどけるのではないでしょうか。シーツの色や素材など、自分の好きなものにすることでリラックスできる環境を整えましょう。


赤色や橙色は睡眠環境には適さないので注意を

好きなものとはいえ、目的はリラックスすることです。交感神経を刺激するといわれる暖色系の特に赤色や橙色は睡眠環境としては控えておいたほうがいいように思います。もちろんポイントしての赤色や橙色の色遣いは問題ありませんし、高齢者にはむしろ刺激を与えるという意味で赤色のものを近くに置くというのは有効なようです。


睡眠こそ生活の中心におくべき活動

 

睡眠は日常のあたりまえになっているので、どうしても軽んじて考えられがちな風潮を感じます。また睡眠そのものについても、まだ科学的に解明できていないことが多いことも、その風潮を助長しているのかもしれません。

けれども考えてみて欲しいのです。睡眠が不足している、あるいは自覚はないけれど不足していたらどうなるでしょうか。残念ながら本来持っている力を存分に発揮することができないのです、自分の力はこんなんもんじゃないはず、その背景には睡眠が大きく関わっています。


例えば「今日は奮発してステーキにしよう」と、食事では生活のなかでメリハリがあります。運動でもそうです、明日は休みだから少しハードなトレーニングで追い込んでおこうとか。睡眠についてはどうでしょうか、今日は奮発して質の高い睡眠をしよう、とかはできないのです。できるのは、休日だから寝れるだけ寝よう、という時間の量的なものだけ。 ただ残念ながら、1日で長時間眠ったとしても睡眠不足の蓄積は解消できないだけでなく、不規則な生活リズムはかえって体調を崩す原因になったりしますから注意が必要です。生活リズムは、睡眠の基ともなっている生体リズムに合わせることが求められます。そう考えると、健やかな生活を求めるのであれば、なによりも睡眠という活動を生活の中心に置くことが大切です。

睡眠は「すっきりした」という体感を大切に


3人に1人は悩んでいるという睡眠。厚生労働省の報告では、睡眠の悩みとして「睡眠途中に目が覚めて困った」「日中、眠気を感じた」「睡眠全体の質に満足できなかった」などが挙げられています。 参考:厚生労働省健康実態の調査


コロナ禍における日常生活の大きな変化によって、生活のリズムが乱れて睡眠に悩まれる方も多くいるようです。まだ睡眠については、解明されていないことが多いのも事実、ですから科学的根拠のない一般論だけに惑わされずに、自身の体感を基に「すっきりした」と感じられる睡眠を心がけてください。昼間にあくびがとまらない、集中力が続かないというのは、睡眠不足が原因だと考えられますので、自覚を持って睡眠環境の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。


自分に合った睡眠環境を整えよう


睡眠環境改善に直ぐに有効なグッズ


人生の1/3以上の時間を過ごすのがベッド(あるいは布団)。本質的な意味でのマイホームが寝室であり、ベッドなのです。この環境を機能的に改善することだけで睡眠の質は向上します。睡眠の質が向上すれば、疲労が回復できたり、免疫力が高まって病気になりにくい身体になったりと、生活全体の質が向上します。そして、なによりもグッズは今日からでも改善できる、もっとも簡単な睡眠環境改善法のひとつです。


脳を休めるためストレスのない枕

脳を休めることが大きな目的でもある睡眠にとって、枕はとても大切なグッズです。頭をしっかりと支えてくれながら、その高さや固さがストレスにならないもの、そして頭部の熱を放射できる通気性の高いものを選んでください。遠征の多いプロアスリートは、マイ枕を持参して睡眠環境を守っているということからも、睡眠における枕の大切さは理解いただけると思います。


そこでお薦めしたいのは「スタンフォード式最高の睡眠」著者であるスタンフォード大学医学部精神科教授/スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治医学博士がプロデュースしている枕です。 西野精治医学博士がプロデュースしているBRAIN SLEEPの枕はこちら

眠り始めの90分深く眠ることを目的にした枕 眠り始めの90分を深く眠ることができれば、その後の睡眠全体の質も向上するという考えの基に、入眠時の深部体温(体の内側の温度)を下げる事に着目し開発された枕です。脳の温度も深部体温と同じ動きを示しますので、就寝中に脳を冷やす(頭部の熱がこもらない)事で良質な睡眠を手に入れる事ができるようになると開発された、世界最高峰の科学的根拠に基づいた枕です。


睡眠は優先して質を高めるという意識へ


限られた時間のなかで、やるべきことややりたいことが沢山あると、ついつい睡眠時間を削ってしまいがちです。けれども、やるべきことを高い生産性で行うには、しっかりと睡眠をしなければ実現はできません。


仕事や趣味などに集中力高く、しなやかな行動でパフォーマンスを発揮するためには、なによりも優先して”睡眠の環境と時間をつくること”が大切です。睡眠は、疲れたから眠るのではなく、脳と身体の仕組みに合わせて積極的に質を高めていくということが求められています。


睡眠の質は生活の質(QOL=quality of life)に直結していますので、健康寿命を延ばすためには、日々行う睡眠について正しく理解し、「すっきりした」と感じられるような睡眠をとれるように心がけてください関連情報:健康寿命の課題と対応


Have a good sleep.

西村公志 睡眠健康指導士、健康管理士 著書「感動できる柔らかなココロがマーケットを創造する」(アスペクト)。マーケティングコンサルタントとして活動するなかで法人経営者の健康管理における危機意識を感じ、正しい情報をお伝えできるようにと人生の1/4以上の時間を費やす睡眠と睡眠に関わる健康管理について学び続けています。



 

※できるかぎり最新の情報を基に更新を重ねているため、掲載初期のものから情報が更新されていることがあります、あらかじめご了承ください。

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