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睡眠と健康寿命



睡眠とはなにか

 

睡眠の目的を知ろう


睡眠は、充実した毎日を送りパフォーマンスをアップさせるために、とても大切な時間です。心地良く生活することができ、自分の本来持っている力を発揮できるのは、睡眠時に脳と身体のメンテナンスと調整を行えているからです。もし睡眠が十分でない場合は、脳と身体の疲労は蓄積され、すべてにおいてのパフォーマンスは低下してしまいます。


なぜ人は眠くなるのか


睡眠は、起きている時間の疲労が大きいほど眠たくなります、ここでいう疲労の大きさとは起きている時間の長さにも比例します。徹夜などで起きている時間が長いと、直ぐに入眠し、眠りも深いことが解っています。図:厚生労働省

上図にあるように睡眠は、睡眠欲求と覚醒力のバランスによって眠たくなったり、目が覚めたりを決定し繰り返していきます。この欲求を引き起こすのは、体内時計と生体のメカニズムによって体内で分泌されるホルモンです。ホルモンの話はまた別で詳しく解説させてください。



自分に合った睡眠時間


必要な睡眠時間とは


適切な睡眠時間はひとそれぞれで個人差があり、年齢や季節によっても変化します。よく「7時間から8時間睡眠がよい」という話を耳にします。それはあくまでも平均的な話、それぞれ生活スタイルや年齢も異なりますので、できれば自分に適した睡眠時間を見つけることができるといいですね。ただ、睡眠の目的は脳と身体のメンテナンスと調整ですから、メンテナンスに必要な物理的な時間が必要なことも事実です、一般的な目安としてできれば7時間前後はとるように心がけてください。


適した睡眠時間の確認方法


では、自分に合った睡眠時間はどれくらいなのか、ということが気になりますが、適した睡眠時間をチェックするポイントがあります。それは「起床から4時間後に眠気があるかどうか」というもの。脳と身体のメカニズムとして、起床してから4時間後は、脳の働きが良い、最も頭が冴えている時間帯になります。この時間にも、集中力がなくボーッとしたり、あくびをしているようなら、睡眠が足りていないというサインになります。2週間くらいチェックするなかで「この日が1番頭が冴えていた」という日の睡眠時間が、あなたに適した睡眠時間だと考えられます。



睡眠のメカニズム


2つの睡眠状態

人間をはじめ、発達した大脳を持つ鳥類や哺乳類などの高等脊椎動物の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠のふたつで構成されています。私たち人間の睡眠を例に挙げると、まず入眠時にノンレム睡眠が出現し、約90分後にレム睡眠へと移行し、このサイクルを一晩の間に4~5回繰り返しています。

レム睡眠

レム睡眠は、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動いている急速眼球運動(rapid eye movement :REM)を伴う睡眠であることから名づけられています。レム睡眠の時、身体は休息した状態ですが、脳の活動は起きている状態に近く、記憶の整理などを行っていると考えられています。このレム睡眠は90分間隔で現れて、5分から30分程度続き、この状態の時に夢を見ています。睡眠全体の25%程度がレム睡眠となります。


ノンレム睡眠

ノンレム睡眠は、レム睡眠ではない(non rapid eye movement)眠りという意味で、脳が休息状態で眠りの深さによって3段階に分類されます。正常な睡眠の場合には入眠初期に深いノンレム睡眠が観察され、明け方に向けてレム睡眠が長くなって、目覚める準備が整います。参考:厚生労働省眠りのメカニズム



睡眠こそ生活の中心におくべき活動

 

睡眠は日常のあたりまえになっているので、どうしても軽んじて考えられがちな風潮を感じます。また睡眠そのものについても、まだ科学的に解明できていないことが多いことも、その風潮を助長しているのかもしれません。

けれども考えてみて欲しいのです。睡眠が不足している、あるいは自覚はないけれど不足していたらどうなるでしょうか。残念ながら本来持っている力を存分に発揮することができないのです、自分の力はこんなんもんじゃないはず、その背景には睡眠が大きく関わっています。


例えば「今日は奮発してステーキにしよう」と、食事では生活のなかでメリハリがあります。運動でもそうです、明日は休みだから少しハードなトレーニングで追い込んでおこうとか。睡眠についてはどうでしょうか、今日は奮発して質の高い睡眠をしよう、とかはできないのです。できるのは、休日だから寝れるだけ寝よう、という時間の量的なものだけ。 ただ残念ながら、1日で長時間眠ったとしても睡眠不足の蓄積は解消できないだけでなく、不規則な生活リズムはかえって体調を崩す原因になったりしますから注意が必要です。生活リズムは、睡眠の基ともなっている生体リズムに合わせることが求められます。そう考えると、健やかな生活を求めるのであれば、なによりも睡眠という活動を生活の中心に置くことが大切です。

睡眠は「すっきりした」という体感を大切に


3人に1人は悩んでいるという睡眠。厚生労働省の報告では、睡眠の悩みとして「睡眠途中に目が覚めて困った」「日中、眠気を感じた」「睡眠全体の質に満足できなかった」などが挙げられています。 参考:厚生労働省健康実態の調査


コロナ禍における日常生活の大きな変化によって、生活のリズムが乱れて睡眠に悩まれる方も多くいるようです。まだ睡眠については、解明されていないことが多いのも事実、ですから科学的根拠のない一般論だけに惑わされずに、自身の体感を基に「すっきりした」と感じられる睡眠を心がけてください。昼間にあくびがとまらない、集中力が続かないというのは、睡眠不足が原因だと考えられますので、自覚を持って睡眠環境の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。


自分に合った睡眠環境を整えよう


睡眠環境改善に直ぐに有効なグッズ


人生の1/3以上の時間を過ごすのがベッド(あるいは布団)。本質的な意味でのマイホームが寝室であり、ベッドなのです。この環境を機能的に改善することだけで睡眠の質は向上します。睡眠の質が向上すれば、疲労が回復できたり、免疫力が高まって病気になりにくい身体になったりと、生活全体の質が向上します。そして、なによりもグッズは今日からでも改善できる、もっとも簡単な睡眠環境改善法のひとつです。


脳を休めるためストレスのない枕

脳を休めることが大きな目的でもある睡眠にとって、枕はとても大切なグッズです。頭をしっかりと支えてくれながら、その高さや固さがストレスにならないもの、そして頭部の熱を放射できる通気性の高いものを選んでください。遠征の多いプロアスリートは、マイ枕を持参して睡眠環境を守っているということからも、睡眠における枕の大切さは理解いただけると思います。

そこでお薦めしたいのは「スタンフォード式最高の睡眠」著者であるスタンフォード大学医学部精神科教授/スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治医学博士がプロデュースしている枕です。 西野精治医学博士がプロデュースしているBRAIN SLEEPの枕はこちら



眠り始めの90分深く眠ることを目的にした枕 眠り始めの90分を深く眠ることができれば、その後の睡眠全体の質も向上するという考えの基に、入眠時の深部体温(体の内側の温度)を下げる事に着目し開発された枕です。脳の温度も深部体温と同じ動きを示しますので、就寝中に脳を冷やす(頭部の熱がこもらない)事で良質な睡眠を手に入れる事ができるようになると開発された、世界最高峰の科学的根拠に基づいた枕です。


睡眠は優先して質を高めるという意識へ


限られた時間のなかで、やるべきことややりたいことが沢山あると、ついつい睡眠時間を削ってしまいがちです。けれども、やるべきことを高い生産性で行うには、しっかりと睡眠をしなければ実現はできません。


仕事や趣味などに集中力高く、しなやかな行動でパフォーマンスを発揮するためには、なによりも優先して”睡眠の環境と時間をつくること”が大切です。睡眠は、疲れたから眠るのではなく、脳と身体の仕組みに合わせて積極的に質を高めていくということが求められています。


睡眠の質は生活の質(QOL=quality of life)に直結していますので、健康寿命を延ばすためには、日々行う睡眠について正しく理解し、「すっきりした」と感じられるような睡眠をとれるように心がけてください関連情報:健康寿命の課題と対応


Have a good sleep.

西村公志 睡眠健康指導士、健康管理士。 著書「感動できる柔らかなココロがマーケットを創造する」(アスペクト)。マーケティングコンサルタントとして活動するなかで法人経営者の健康管理における危機意識を感じ、正しい情報をお伝えできるようにと健康の中でも人生の1/4以上の時間を費やす睡眠と睡眠に関わる健康管理について学び続けている。 参照:厚生労働省 睡眠と健康 参照:日本睡眠学会 医療機関:日本睡眠学会 専門医

 

※できるかぎり最新の情報を基に更新を重ねているため、掲載初期のものから情報が更新されていることがあります、あらかじめご了承ください。

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