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健康寿命の課題と対応

日本の生活習慣病患者は1850万人。実に全人口の15%強、7人にひとりが生活習慣病です。この生活習慣病が、多くの人の健康寿命を蝕んでいます。 どうすれば生活習慣病を発症させずに健康寿命を延伸することができるのでしょうか。


健康寿命と生活習慣病


生活習慣病とは


いったい生活習慣病とはどういうものなのでしょうか。これは文字通り生活習慣(偏った食生活、運動不足、ストレス、飲酒、喫煙など)が原因で、病気が発症したり進行する疾患の総称が生活習慣病です。


生活習慣病の七大疾病 1・がん

2・心疾患

3・脳血管疾患

4・高血圧

5・糖尿病

6・腎疾患

7・肝疾患


このうちの”がん””心疾患””脳血管疾患”を生活習慣病三大疾患といい、死に至る大きな疾病となっています。



生活習慣病の原因


偏りのある不健康な生活を続けていることで、少しづつ身体を蝕ばまれていき、長い年月を経て発症します。脳卒中などは突然起こるように思われますが、発症する因子はずっと前からあったのです。


ですから、若い頃から生活習慣病についての理解を深め、予防措置をしておくことが大切です。青年からの小さな塵が少しづつでも積もってくると、壮年になり不調に気づいた時には命を奪われてしまうこともあるのです。



生活習慣病へ繋がる悪習慣


どういった生活習慣が疾病につながるのでしょうか。シンプルに”これ身体に悪いだろうな”というものはやはり悪いのです。代表的なものとして以下になります。

1・偏った食生活

2・運動不足

3・睡眠不足(リカバリー)

4・飲酒

5・喫煙

6・ストレス



生活習慣病の死亡率

がん、心疾患、脳血管疾患の生活習慣病三大疾病で死因の50%となっています。とりわけがんは4人に1人以上の罹患率となり、こういったところにも現代生活における生活習慣も影響していることは間違いありません。 参考:健康を害する酸化ストレス に注意



生活習慣病の予防


疾病の多くは生活習慣から引き起こされるということですから、生活習慣を改善することで多くの疾病は予防できるということになります。


ブレスローの7つの健康習慣

生活習慣と健康に関する調査からブレスロー教授の提言した7つの予防習慣。1980年のものですから今から40年以上前のものですが、健康的な生活”ウエルネスライフ”の本質は変わっていないということが理解していただけるのではないでしょうか。



生活習慣病予防と運動


継続的な運動習慣には下記の効果があるといわれています。


・エネルギー代謝がよくなり肥満が改善する

・中性脂肪が分解されHDLコレステロール(善玉コレステロール)を生産しやすくなる

・インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きがよくなる

・血管の内皮機能を改善し、血圧を下げる作用がある

・ストレス解消の作用がある



生活習慣としての運動

喫煙や飲酒は能動的に行っているので止めればいいのです、けれども運動は能動的に始めなければなりません。


自らが動く必要のある運動は、どれくらいの量が必要なのかというとWHO(世界保健機構)では「1週間に中等度以上の運動を週に150分以上(22分以上/日)、または高強度の運動を週に65分以上(10分程度/日)」を目安としています。


「中等度」「高強度」は、運動の強度であり、METs(Metabolic Equivalents)という単位が有名ですが、これは運動や作業ごとに強度を規定していて目安として以下となります。


中等度:少し息が上がるが会話できる程度、3~6METs、早歩き、筋トレ、水中ウォーキング、軽いラケットスポーツ

高強度:息が上がり会話ができない、6~9METs、ジョギング、水泳、クロスカントリー



省時間での運動方法


現代人にとって、時間を創るとうことはとても難しい課題です。ウォーキングを毎日60分以上続けるというのは、意識としての問題と同じくらいに、物理的に60分の運動をする時間をつくるというは難しいのだと考えられます。

世界最大級の低酸素トレーニング施設 東京都江東区


運動効率を高める


運動効率を高めて省時間で達成できるトレーニング環境があります。人工的に酸素濃度を下げて高地トレーニング環境と同じような低酸素環境空間を造ることで、運動効率を高めています。


この施設では、2020東京オリンピック期間には、日本選手団がトレーニングやコンディショニングに有効活用していたようですから、その機能は折り紙付きですね。


酸素濃度が低いので、身体はより多くの酸素を取り込もうと活性化するというものです。人間の身体は、酸素が足りていない状態になると、生存のために進化していくようです。多くの酸素を取り込めるようにヘモグロビンが増えたり、心肺機能が発達したりするようです。 参考:低酸素トレーニング 期待できる効果と時短トレーニング



省時間トレーニング


低酸素環境下でトレーニングをすると、常酸素環境下(一般の状態)と比較してどれくらい効果があるのかということについてですが、低酸素環境下では常酸素環境下よりも酸素濃度が低いなかで行っていますので、比例して負荷が大きいのです。


常酸素環境下では21%程度の酸素濃度が、低酸素環境下で16%の酸素濃度だと仮定すると、単純比例だけでも常酸素で30分トレーニングするのであれば、低酸素では20分程度でいいということになります。


低酸素環境下で20分程度のウォーキングと20分程度ストレッチなどの体操をすることで、常酸素環境での60分のウォーキングに相当すると考えられています。仕事で忙しくて時間のない会社員は、ぜひ低酸素トレーニングも試してみてください。



運動の習慣化


生活習慣病を予防するには、とにかく運動は不可欠です。ただ、しっかりとトレーニングしないとダメだというわけではなく、習慣的に身体を意識して動かしましょうということです。1日20分程度のウォーキング(通勤や通学、買い物でもいい)やジョギングといった有酸素運動を生活のなかに取り入れていってください。

いまある行動のなかでできる取組み

・「今よりも10分多く、体を動かす」という意識を持つ

・通勤や買い物のときに早歩きを心がける

・エスカレーターではなく階段を使う

・こまめな掃除や洗濯で体を動かす

・一駅分歩いてみる

・住んでいる街を散策してみる



何よりも習慣化することが大切なので「できる運動でいいから毎日続ける」ことから始めていきましょう。その積み重ねが、未来の生活習慣病予防に必ず繋がっています。

参考:厚生労働省 平均寿命と健康寿命          健康寿命の定義と延伸プラン

         生活習慣病とは?    文部科学省 健康啓発教材

 

※できるかぎり最新の情報を基に更新を重ねているため、掲載初期のものから情報が更新されていることがあります、あらかじめご了承ください。


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